Jazzmen Played with The Rolling Stones

ローリング・ストーンズと共演したジャズメン


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The Rolling Stones

(with Sonny Rollins)

Tattoo You

Released : 1981,08,28

Tattoo You

 

       3. Slave

       6. Neighbours

      11. Waiting On A Friend

 ローリング・ストーンズとジャズとの接点と言えば、まずは『Tattoo You(刺青の男)』のソニー・ロリンズから始まる。アルバム制作中のあるとき、ミック・ジャガーが「最高のサックス奏者は誰だ?」とチャーリーに質問したところ、来るはずないと思いつつ「ソニー・ロリンズだ!」と答えた。そうしたら次のレコーディングで本人がいたという。

 当時を振り返ってチャーリーは、「ソニーはやっぱり最高のテナー奏者だった。目の前で吹いている姿が観られて感激した。できれば一緒にセッションがしたくて、スタジオにはドラムスも用意しておいたんだ。ところがどうしても切り出せない。躊躇していたら、さっさと楽器を片付けて帰ってしまった。あれが最初で最後のチャンスだったと思うと残念でならない。」と回想している。まったく、控え目なチャーリー・ワッツらしいエピソードだ。 

 ソニー・ロリンズは、このアルバムで3曲に参加している。「Slave(奴隷)」の絡みつくようなサックス、「Neighbours(ネイバーズ)」の強烈なブローも素晴らしいが、何といっても「Waiting On A Friend(友を待つ)」に尽きる。ある意味、平凡なバラード曲がソニー・ロリンズのサックスで一気に昇華している。この先、ライブで「Waiting On A Friend(友を待つ)」を演奏するときは、必ずジャズ・サックス奏者のアニー・ワッツやジョシュア・レッドマンを起用していることからも、この曲にとっての肝がサックスであることが分かる。

Sonny Rollins
Sonny Rollins


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The Rolling Stones

(with Ernie Watts)

Still Life (American Concert 1981)

Released : 1982,06,01

Still Life

 

       6. Going To A Go-Go

       7. Let Me Go

       9. Just My Imagination

 

  • Ernie Watts : saxophone (6,7,9), tambourine (7)

 "Still Life (American Concert 1981)" は、1981年のUSツアーの模様が納められたライヴ・アルバム。アルバム・カバーは、日本人画家のカズ・ヤマザキが担当している。

 ローリング・ストーンズは1981年8月にアルバム"Tattoo You"をリリースし、9月から12月にかけてUSツアーを行った。"Tattoo You"に参加したソニー・ロリンズは、ミック・ジャガーからツアーにも誘われたがそうだがそれを断った。ソニー・ロリンズはインタビューで次のように語っている。

 「それは断った。金額もよかったけれど、自分のやることではないと思ったからだ。わたしはジャズ・ミュージシャンなんで、ゲストでロックのバンドに入るのは構わないが、ツアーとなれば話は違ってくる」

小川隆夫 『愛しのジャズメン』

 ツアー当初はリー・アレンがサックスを務めていたが、10月7日以降はアーニー・ワッツが取って変わった。アーニー・ワッツはライヴの半数近くの曲でサックスを吹き、曲によってはタンバリンも叩いている。

Ernie Watts
Ernie Watts


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The Rolling Stones

(with Ernie Watts)

Let's Spend the Night Together

Recorded : 1981,11,05-06 / 12,13

Released : 1983,02,11 [Film] / 2003,03,07 [DVD]

Let's Spend The Night Together

 

       4. Neighbours

       5. Black Limousine

       6. Just My Imagination

       8. Let Me Go

      10. Beast Of Burden

      11. Waiting On A Friend

      12. Going To A Go-Go

      13. You Can’t Always Get What You Want

      19. Miss You

      20. Let It Bleed

      22. Honky Tonk Women

      23. Brown Sugar

 

  • Ernie Watts : saxophone (4-6,8,10-13,19,20,22,23), tambourine (6,10,13)

 1983年に劇場公開されたライヴ映画。1981年のUSツアーから、12月13日のアリゾナ公演、11月5日・6日のニュー・ジャージー公演の映像が使われている。

 このツアーでは25曲のセットリストが組まれており、アーニー・ワッツは約半数の12曲でサックスを吹いて、その内3曲ではタンバリンも叩いている。





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The Rolling Stones

(with David Sanborn)

Undercover

Released : 1983,11,07

Undercover

 

       7. Pretty Beat Up

David Sanborn
David Sanborn

 1983年にリリースされたアルバム“Undercover”は、当時の流行りの《音》を創っているようで、全体を聴いてみると従来のストーンズっぽい曲があったり、なんとも焦点がはっきりしない《寄せ集め》的なアルバムとの印象がある。

 'Pretty Beat Up'では、ジャズ・フュージョン系のみならず、デヴィッド・ボウイやイーグルス、その他多方面の分野で活躍しているサックス奏者のデヴィッド・サンボーンが参加している。'Pretty Beat Up'はファンクっぽい曲で、《泣きのサンボーン》と言われる彼らしいプレイが聴ける。

 なお、デヴィッド・サンボーンは、1987年にリリースされたミック・ジャガーのセカンド・ソロ・アルバム『プリミティヴ・クール』にも参加している。


Mick Jagger

"Primitive Cool"

Mick Jagger _ Primitive Cool


The Rolling Stones

(with Wayne Shorter)

Bridges to Babylon

Released : 1997

Bridges To Babylon

 

      13. How Can I Stop

 

Wayne Shorter
Wayne Shorter

 このアルバムには1曲だけだが、テナー・サックス奏者のウェイン・ショーターが参加している。ソニー・ロリンズのときと同じく、この人選も間違いなくチャーリーだろう。

 キースがボーカルをとるスロー・バラードの後半に、素晴しいソロを聴かせてくれる。



The Rolling Stones

(with Joshua Redman)

No Security

Released : 1998

No Security

 

       8. Waiting On A Friend

 

 「ブリッジ・トゥ・バビロン・ツアー」のセントルイス公演で、たまたま街にいたというジョシュア・レッドマンが「Waiting on a Friend(友を待つ)」に参加している。ジャズ・ジャイアンツと呼ばれるソニー・ロリンズ、大先輩のアーニー・ワッツが残した名演に、若干27歳のジョシュア・レッドマンが如何に立ち向かったか。結果は“たまたま”参加したとは思えないほど、熱い演奏を聴かせてくれる。

Joshua Redman
Joshua Redman