The Flamingo Club

フラミンゴ・クラブ


 チャーリー・ワッツは、1991年に来日公演を行った際に行われた小川隆夫によるインタビューで、ジャズと出会った頃の様子を次のように語っている。

 

 「17、8歳になって、ジャズ・クラブに出入りするようになる。よく行ったのがロンドンの『フラミンゴ・クラブ』。ここでさまざまなミュージシャンを聴いたよ。ローカル・ミュージシャンばかりだけど、みな素敵だった。ジャズ・ドラマーになりたい気持ちを行くたびに強くしたものさ。」*

*) 小川隆夫のJAZZ blog Keep Swingin'


The Flamingo Club

  • Period : 1952 - 1967
  • Address : 33–37 Wardour Street  London, UK
  • Owner : Jeffrey Kruger, Sam Kruger
  • Link : Wikipedia
The Flamingo Club
The Flamingo Club

 フラミンゴ・クラブは、1952年から1969年までロンドンのソーホーにあったナイトクラブ。イギリスのジャズやR&Bの発展に重要な役割を果たした。1963年頃にはモッズ・サブカルチャーの中心地としても知られるようになり、ジャズとR&Bの両方のファンとミュージシャンが肩を並べていた。ローリング・ストーンズ、ビートルズのメンバーやジミ・ヘンドリックスら多くのミュージシャンも訪れ、毎夜ジャム・セッションが繰り広げられていた。

 17歳のチャーリーがフラミンゴ・クラブに通い始めた1958年頃はジャズが中心で、彼はジャズ・ドラマーへの憧れを抱き始めていた。そして、30年近い月日が流れた1986年、「ロニー・スコッツ・クラブの舞台に立ちたい」とのチャーリーの思いが実現し、”The Charlie Watts Orchestra”でジャズ・ドラマーとしてデビューを飾ることになる。"ロニー・スコッツ・クラブ"のオーナーであるロニー・スコット(ts)と、チャーリーのジャズ・デビュー・アルバム"Live at Fulham Town Hall"に参加しているビル・セイジ(vib)は、1958年当時フラミンゴ・クラブのハウス・バンドを務めていた。

 《フラミンゴ・クラブ》は、チャーリーをジャズ・ドラマーへと導いた原点のクラブであり、ローリング・ストーンズ結成前に、後のメンバーと親交を深めた歴史的な場所でもあった。

The Charlie Watts Orchestra _ Live at Fulham Town Hall

The Charlie Watts Orchestra

"Live at Fulham Town Hall"



.

 

Tony Crombie Group

Jazz at the Flamingo

Recorded : 1956,07,31

Released : 2001,09,11

Tony Crombie Group _ Jazz at the Flamingo
  1. A Night In Tunisia
  2. Stars Fell Over Alabama
  3. Soho Blues
  4. Annie-Mation
  5. Autumn Leaves
  6. Laker's Day
  • Tony Crombie : drums
  • Ronnie Scott : tenor sax
  • Harry Klein : baritone sax
  • Terry Shannon : piano
  • Lennie Bush : bass
  • Tubby Hayes : tenor saxo (1, 6)

 "Well good evening ladies and gentlemen and welcome to 'Jazz at the Flamingo'! "のアナウンスに導かれ、’A Night in Tunisia’のホットな演奏になだれ込む。1956年7月31日にフラミンゴ・クラブで録音された本作は、当時のロンドンにおけるジャズ熱を伝えてくれる。リーダーはドラムスのトニー・クロンビー、テナーサックスは、後に自身のクラブを開業することになるロニー・スコットが務めている。

 チャーリーがフラミンゴ・クラブに通い始めたのは1958年頃。本作のライヴから約2年後になるが、まだイギリスに《ロック》が登場する前、ジャズ最盛期の音にどっぷりと浸かり、ジャズ・ドラマー憧れる17歳のチャーリーがそこにいた。