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'Bemsha Swing'

 ’Bemsha Swing’は、セロニアス・モンク(p)がデンジル・ベスト(dr)と書いた曲で、1952年12月18日にアルバム『セロニアス・モンク・トリオ』で初めて録音された。


Thelonious Monk

Thelonious Monk Trio

Recorded : 1952,10,15 - 12,18 / 1954,09,22

Released : 1954

Thelonious Monk _ Thelonious Monk Trio

 

       3. Bemsha Swing

  • Thelonious Monk : piano
  • Gerry Mapp : bass
  • Max Roach : drums

 セロニアス・モンクが1952年にブルーノートからプレスティッジに移籍して第一作目となるトリオによる作品。‘Bemsha Swing’はモンクならではの不協和音が耳に響く独特の演奏と、一度聴けば忘れられない馴染みやすいメロディーで、ピアニストとしてモンク、コンポーザーとしてのモンクを堪能できる。


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Thelonious Monk

Brilliant Corners

Recorded : 1956,10,09 / 10,15 / 12,07

Released : 1957

Thelonious Monk _ Brilliant Corners

 

       5. Bemsha Swing

  • Thelonious Monk : piano
  • Sonny Rollins : tenor saxophone
  • Max Roach : drums, timpani
  • Clark Terry : trumpet
  • Paul Chambers : double bass

 1957年にリリースされたセロニアス・モンクのリバーサイド3作目。

 セロニアス・モンクは、モダン・ジャズの三大レーベルと言われるブルーノート(1948–1952)、プレスティッジ((1952–1954)、リバーサイド(1955–1961)に在籍した稀有なミュージシャンとなった。

 前掲の"Thelonious Monk Trio"ではモンクのピアノによるテーマとソロに終始しているが、本作ではクインテット編成で、‘Bemsha Swing’のテーマとモンク(p)のソロに続き、ソニー・ロリンズ(ts)、クラーク・テリー(tr)、再びモンク(p)、マックス・ローチ(dr)、ポール・チェンバース(b)とハード・バップを代表する豪華なミュージシャンによるソロを堪能できる。


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Miles Davis

Miles Davis and the Modern Jazz Giants

Recorded : 1954,12,24 / 1956,10,26

Released : 1959,05

Miles Davis _ Miles Davis and the Modern Jazz Giants

 

       4. Bemsha Swing

  • Miles Davis : trumpet
  • Thelonious Monk : piano
  • Milt Jackson : vibraphone
  • Percy Heath : bass
  • Kenny Clarke : drums

 本盤は、かの有名な1954年12月24日マイルズ・デイヴィスとセロニアス・モンクによる《クリスマスの喧嘩セッション》を収録している。

 この《クリスマスの喧嘩セッション》とは、『マイルズがモンクに、モンク作曲の‘Bemsha Swing’以外は自分のソロ・パートでピアノのバッキングをやめてくれと言ったところ、プライドを傷つけられたモンクは、マイルズと殴り合いの喧嘩になった』という噂話・・・。実はこの伝説は眉唾もので、マイルズも自叙伝で「オレが吹いている間は弾かないでくれと、ただそう言っただけだ。音楽的な判断で、人間関係で言ったんじゃない。」(*1)と否定している。それどころか、自叙伝では随所でモンクの音楽性、人間性を称賛している。

 さて、肝心の‘Bemsha Swing’でのモンクだが、冒頭のテーマは彼のピアノから始まっているし、マイルズのソロ・パートでも控えめながらバッキングでピアノを弾いている。更には本セッションの主役であるマイルズ(tp)とミルト・ジャクソン(vib)に続いて、モンク(p)もちゃんとソロを弾かせて(?)もらっている。しかしながら、何と言っても本アルバムの主役はマイルズとミルトに尽きる。マイルズは‘Bemsha Swing’以外にも、‘Round Midnight’などのモンク作曲の作品を録音しているが、いずれも原曲を遥かに昇華させた内容となっている。

"Miles : The Autobiography"

Miles Davis with Quincy Troupe  

Miles : The Autobiography

『マイルス・デイビス自叙伝』

 中山泰樹 訳

マイルス・デイビス自叙伝
  1. pp.108- 109 


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Red Hot Chili Peppers

Out in L.A.

Recorded : 1983 – 1990

Released : 1994,11,01

Red Hot Chili Peppers _ Out in L.A.

 

       7. F.U.

  • Anthony Kiedis : lead vocals
  • John Frusciante : guitar
  • Flea : bass, trumpet
  • Chad Smith : drums

 本盤には異色の‘Bemsha Swing’が収録されている。

 ファンク・ロック・バンドのレッド・ホット・チリ・ペッパーズは、1989年から90年の母乳ツアーで、セロニアス・モンク作の‘Bemsha Swing’に歌詞をつけ‘F.U.’ (F〇○k Youの略)とタイトルも改題してカバーした。曲のテーマを拝借しているものの、歌詞は具にもつかない内容で、1分少々の短い曲。

 RHCPのベーシスト、フリーはセロニアス・モンクの大ファンだと言われている。彼の継父はジャズ・ミュージシャンで、フリーは幼い頃から音楽に熱中してドラムを叩いていた。継父もまた、週末毎にジャム・セッションを行う生活で、フリーもそのような音楽に囲まれた環境で育っていった。そうした中、9歳の頃に吹き始めたトランペットはあっという間に上達して行き、11歳になる頃には継父とジャムセッションが出来るほどの腕前になっていた。

Fuck you!

Fuck your whole family and your bare legged kids

Fuck you!

Fuck your little sister and your little brother

Fuck you!

Fuck all your friends and everyone

Fuck you!

Fuck your little puppy and your puppy dog

Fuck you!