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さいとうたかを逝く

 さいとうたかを氏が亡くなった。先月のチャーリー・ワッツに続き、自分の人生を形作ってきた人が逝ってしまった。

 さいとうたかを氏は、言わずと知れた『ゴルゴ13』の作者。ゴルゴ13の連載開始は1968年だから、僕の人生とほぼ一致する。学生時代に世界一周放浪の旅の途上、エジプトの安宿で初めて読んだゴルゴ13。国際情勢とその裏に潜む世界の詳細な描写、ゴルゴ13ことデューク東郷の生き方のポリシーに惹かれ続けた。僕のベッドの脇にはゴルゴ13全巻が並び、就寝前のゴルゴ13は安らぎの時であり、明日への活力だった・・・

 幸いな事(?)に『ゴルゴ13』の連載は、さいとうプロダクションのスタッフにより継続するという。これこそが、さいとうたかを氏が長年かけて作り上げた分業制の集大成といってよいだろう。ただ、連載開始時に既に決まっていたという最終回を読みたかった気もするが・・・。

 さいとうたかをさん、長年ありがとう。ご冥福を。