· 

ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男

 依然治まらないコロナの嵐と、危険を感じさせるような猛暑で外出もままならない今年の夏。テレビで流れるコロナ関連の報道にウンザリして、以前から気になっていた映画『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』を観た。

 この映画は、コアなストーンズ・ファン(例えば僕)とそれ以外の人(例えば僕の妻)では評価が全く分かれるところだろう。それ以外の人から見れば、60年代ロック・スターの退廃と荒廃だけの話(妻は映画途中で退出...)。コアなストーンズ・ファンから見れば、今まで文字だけで伝え聞いたブライアン・ジョーンズの人間性、音楽性、人生をリアルな映像で確認できた秀作と言える。特にブルーズ'Little Red Rooster'から始まり、モロッコ音楽'Joujouka'まで網羅したところは評価できるところだ。

 気になるストーンズ・メンバーのキャストだが、これがなかなか特徴を捉えていて悪くない。劇中での登場場面は1割もなく、あくまでも主眼はブライアンに置かれている。チャーリー役もクスっと笑ってしまうくらい特徴を捉えている。《バンドからの斬首》を言い渡すためにブライアンの部屋を訪れたミック、キースとチャーリー(何故かビル・ワイマンはいない)、ミックとキースがありきたりの別れの言葉をブライアンに送った後、チャーリーにカメラが向けられる。・・・やっぱり何もしゃべらなかった...。