ゴッホ展と森Cafe

 上野の森美術館で開催されているゴッホ展へ愛妻と赴く。我が家から上野までは、時間的にも金銭的にも電車で行くほうが正しい。でも、愛車S660に乗りたい!それが楽しい!、だから車で行く、それが正しいのだ・・・たぶん・・・。

 ここ20年あまり、東京で開催されたゴッホ展には全て行っている。恐らく5回以上。でも、今回のゴッホ展は残念ながら過去最低と言わざるを得ない。まずは、上野の森美術館がなんとも戴けない。建築的にも造形的にも心に何も残らない...。展示内容もゴッホの各時代と同時期の画家の作品を順番に並べただけ。特徴も全くないし、ゴッホの作品も少ない、更にはこれぞという名作も少ない。あえて言えばポスターにもなっている糸杉くらいか。ただ一つ《サン=レミの療養院の庭》は素晴らしかった。これぞゴッホ。画集や写真では絶対に理解できない、実物だけの迫力と美しさ。狂気と美の混沌とした精神世界。この作品を見れただけでも良しとしよう。

 帰りはあえて下道を使って、東京都心をのんびりとドライブしながら帰路へつく。休みの都心は平日のせわしなさがなく、ドライブしていても気持ちがよい。

 帰りがてらに、『東京の森のカフェ』で紹介されている用賀の《西庵カフェ》に寄って、遅いランチとコーヒーを食す。このカフェは定年退職を期にカフェをオープンした老夫婦のお店で、狭いながらもセンスの良い庭があり、閑静な住宅街にひっそりと馴染んでいる。珍しいことに、カフェでありながらご主人手打ちの蕎麦がメインのメニューとなっている。蕎麦とキーマカレーを注文したけど、どちらも満足の美味しさ。娘さんが作っているというクルミのタルトケーキも美味。たまには、こんなのんびり(少しだけ贅沢な)休日の過ごし方もいいものだ。