『ボヘミアン・ラプソディ』

 本日は会社をサボって・・・ではなく、溜まっている代休を取って愛妻とクイーンのドキュメンタリー映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観に行くことに。

 評価★★★★★(満点)!。

 良かった。素晴らしく良かった。ラジオ・テレビなどでの前評判が高かっただけに、「期待し過ぎ」の「期待外れ」を危惧していたけど観に行って良かった。クイーンにも音楽映画にもあまり興味のない愛妻も感動していたご様子。

 僕のクイーンに対する思い入れは持っているCDで評価すれば、ベスト盤(2枚組)1枚・オリジナル・アルバム3枚。とりあえず代表曲はだいたい知ってます...程度。昔から音楽性の高さ・演奏力・パフォーマンスは素晴らしいと思っていたけど、僕が音楽を聴き始めた1982年頃(中学2年の13歳)は、デュラン・デュラン、カルチャー・クラブなどのMTV全盛期。もちろんクイーンも活躍していたけど、クイーンの全盛期は一つ前の世代というイメージだった。特にクイーンの後期は、フレディ・マーキュリーのソロ活動によるメンバー間のイザコザや、エイズ問題などマイナスのイメージが大きかった。今回の『ボヘミアン・ラプソディ』に描かれている、フレディー・マーキュリーのルーツ・両性愛・エイズや、メンバー間のエゴによる愛憎劇も既に承知の内容だった。

 それにもかかわらず、何故こんなに心打たれる映画だったのか?。家に帰ってから、しばらく考えた。まずは、圧倒的な音量。映画館とはいえ耳鳴りがするほどの爆音。本当にライブ会場にいるかのような迫力だった。2つ目はブライアン・メイとロジャー・テイラーがプロデュースしたサウンド・トラック。オープニングでおなじみの「20世紀フォックス映画のファンファーレ」の音からブライアン・メイのギターが鳴り響きでマニアを唸らせる。ストーリー前半で登場するフレディ・マーキュリー加入前のバンドであるスマイルも当時のメンバー3人で再録したというから頭が下がる。スタジオでのリハーサルから、そのまま曲がライブに移行する流れも絶品。そして何と言っても圧巻のライブ映像。3つ目は、フレディ・マーキュリー以外のメンバーのキャラクターも、実によく描写しているところ。ブライアン・メイとロジャー・テイラーの高い音楽性と強烈なエゴ、物静かで控えめながらも信念を持つ男ジョン・ディーコン。そしてやはり重要なのは、人間としてのフレディ・マーキュリーの葛藤劇。ロック・スターの光と影。人間としての陰と陽。家族と友人、バンドメンバーと恋人、取り巻き連中・・・。強烈なまでの個性と才能で人生を駆け抜けたフレディ・マーキュリー。

 クイーンの音楽と歴史を俯瞰せねばならぬ。