Recorded : 1956,07,02
Released : 1956,07,13 [Single] [JP]
Side-A
Hound Dog
Side-B
Don't Be Cruel
Released : 1987
Disc 1
3. Hound Dog
チャーリーはインタビューで、ロックン・ロールについて次のように語っている。
— ロックン・ロールを聴いて『うるせえ音楽だな』」なんて思いませんでしたか? ー
「いや、それはないね(笑)。ただ、ロックン・ロールには興味を持ったことはなかった。私はロックン・ローラーになるよりも、マイルズ・デイヴィスになりたかったからね。でも、僕は黒人でも彼ほどのイイ男でも、天才でもなかったから、なろうにも難しかったけど(笑)。私はエルヴィス・プレスリーになりたかったわけじゃなかった。『ハウンド・ドッグ』は最も素晴らしいレコードの一枚だと思っているけどね。名前なんて関係ないよ。それがクラシックであってもジャズであっても、いいものはいい。『ハウンド・ドッグ』はとにかく最高だよ。」*
*) 山川 健一 『劇薬ストーンズ ポジティヴな意思』
'Hound Dog'は、1956年にエルヴィス・プレスリーが発表したシングル。ビルボード・チャートで11週連続という驚異的な記録を出し、この年の年間ランキングで第1位となった。
Elvis Presley, 1956
Elvis Presley, 1956,68,70,72,73,74,76,77
The Rolling Stones, 1978
Recorded : 1955 - 1977
Released : 1997,02,21
2003年にリリースされた"Rolling Stones Artists Choice"で、チャーリーはリトル・リチャードの'The Girl Can’t Help It'を選曲している。
"Richard, for me, is a very underrated person in that he really is a wonderful singer and piano player. He's fabulous. But because he's entertaining, which is what people loved about him, his playing is overshadowed by all that. We played with him in the early '60s. Actually, our first tour out of London was with him and the Everly Brothers. He used to do two numbers, and one was "Lucille," and it went on for about 25 minutes. Well, you know, four minutes of "Lucille" would have been fabulous." *
- Charlie Watts -
*) liner notes "Rolling Stones Artists Choice"
「リチャードは私にとって本当に素晴らしい歌手でピアノ奏者だけど、すごく過小評価されているね。 彼は本当にすごい。みんな彼のエンターテイニングが好きだったから、演奏がくすんで見えてしまったんだ。オレたちは60年代初めに彼とプレイしてたよ。 実際、ロンドン以外のはじめてのツアーでは、彼とエヴァリー・ブラザースが一緒だった。リチャードはいつも2曲やるんだけど、一曲目の"Lucille,"は25分間もやり続けるんだ。 で、4分間の"Lucille"は伝説だね。」
~ チャーリー・ワッツ ~
'The Girl Can’t Help It'は、1956年アメリカで製作された同名映画(邦題『女はそれを我慢できない』)のタイトル曲で、リトル・リチャードは映画にも出演し演奏している。映画はジェーン・マンスフィールドのアイドル映画で、ロックン・ロール全盛期の歌謡系コメディ映画でもある。
同曲は1956年10月16日にレコーディングされ、12月にシングル・リリースされた。 ビルボードR&Bチャートで7位、同ポップ・チャートで49位を記録している。
(Various Artists)
"Rolling Stones Artists Choice"
7. The Girl Can't Help It
Recorded : 1976,10 / 1977,03-06 / 1977,08
Released : 1977,10,28
チャーリーは、"Some Girls : Deluxe Edition"のリリースに合わせて行われたインタビュー(2011年10月11日)で次のように答えている。
― 77~78年当時、よく聴いていたバンドや、特定のドラマーとかはいましたか。 ―
「(前略)もちろんパンク・バンドとかもしっかりと聴いていた。(中略)それにセックス・ピストルズ。『女たち』のアルバムには、確実にその影響が出ていると思うよ」*
ここでチャーリーは、セックス・ピストルズを『当時、よく聴いていた』だけで、「好き(Favorite)」とは言っていない。ジャズ好きな彼がパンク・ロックを愛聴していたとは思えないが、ローリング・ストーンズのドラマー(仕事)として、最新の音楽にも熱心に耳を傾けていたことが伺える。
セックス・ピストルズ は、イギリスのパンク・ロックバンド。1970年代後半にロンドンで勃興した、パンク・ロックを代表するグループ。活動期間は短命ながら、後世のミュージック・シーンやファッション界にも多大な影響を与えた。
"Never Mind the Bollocks, Here's the Sex Pistols"(邦題『勝手にしやがれ!!』)は、セックス・ピストルズ唯一のスタジオ・アルバム。1977年10月28日にリリースされ、全英アルバムチャート1位を獲得している。