Al Jackson Jr.
"There are a lot of people who can play like Al Jackson, but they're not Al Jackson and never will be."
- Charlie Watts -
*)"Charlie Watts' Favorite Drummers"
「アル・ジャクソンのようにプレイできる人はたくさんいるけど、アル・ジャクソンの音ではないし、彼のようには絶対になれないよ。」
~ チャーリー・ワッツ ~
Recorded : 1962,06 - 08
Released : 1962,10
ブッカー・T&ザ・MG'sはスタックス・レコード専属のスタジオ・バンドとして、オルガンのブッカー・T・ジョーンズを中心に、ギターのスティーヴ・クロッパー、ベースのルイス・スタインバーグ、ドラムのアル・ジャクソンにより結成された。1964年後半、ルイス・スタインバーグに代りドナルド・ダック・ダンが加入した。
本作は、1962年にリリースされたブッカー・T&ザ・MG'sのデビュー・アルバム。アルバム・タイトルにもなっている冒頭1曲目の'Green Onions'は、ビルボード・R&Bチャートで1位、ポップ・チャートで3位の大ヒットを記録した。後に数多くのミュージシャンにもカバーされている。
ブッカー・T&ザ・MG'sが結成された1960年代初頭は、アフリカ系アメリカ人公民権運動の真っ只中であり、スタックス・レコードがあったテネシー州メンフィスもその渦中にあった(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師は、1968年メンフィスで暗殺されている)。そんな土地柄と時代において、黒人2人(ブッカー・T・ジョーンズ、アル・ジャクソン)、白人2人(スティーヴ・クロッパー、ドナルド・ダック・ダン)で結成された混成バンドは非常に希だった。ところが、本作でも聴かれるように、R&Bを軸とする黒っぽさの中に少し感じる白さがブッカー・T&ザ・MG'sのなんとも言えない魅力となっている。
Recorded : 1965,07,11 - 1967,12,08
Released : 1968,02,23
オーティス・レディングは1960年代初頭に音楽活動を始め、1964年からスタックス傘下のヴォルトに所属することになった。前述の通りスタックス・レコード専属のスタジオ・バンドであったブッカー・T&ザ・MG'sがオーティスのバックを務めている。1967年、モントレー・ポップ・フェスティバルに出演。当初、白人のロック・ミュージシャンが多数出演するモントレー・ポップ・フェスティバルに出ることについて難色を示す者が多かった。しかし、黒人のソウル・ミュージシャンとして同フェスティバルに出演したオーティスは大観衆の心を虜にし、音楽に人種の壁はないことを示し大喝采を浴びた。1967年12月10日、オーティスの乗った双発機が濃霧で滑走路を見失い近くの湖に墜落。享年26歳、早すぎる死だった。
本作は、オーティス没後の1968年2月に発表されたコンピレーション・アルバム。アルバム未収録だったシングル・ヒット曲やシングルB面曲を中心に収録されている。事故の3日前に録音された'The Dock of the Bay'は、1968年3月16日のビルボード・チャートで1位を獲得し、彼の代表曲となった。
デビューから彼の死まで、全てのスタジオ・アルバムでオーティスを支え続けたブッカー・T&ザ・MG's。ギターのスティーヴ・クロッパーは、'The Dock of the Bay'をオーティスと共作し、プロデューサーも務めている。
Recorded : 1967,08,10 / 10,04
Released : 1967,10,26
Booker T. & the MG's and the Mar-Key Horns
ブッカー・T&ザ・MG'sがスタジオ・バンドとして所属していたスタックス・レコード (Stax Records)は、米国テネシー州メンフィスに拠点を置いていたレコード・レーベルで、1957年に設立され、1975年末に倒産している。サザン・ソウル、メンフィス・ソウルといった音楽スタイルの形成に大きな役割を担った。
1962年、スタックスはリズム・アンド・ブルースのためのレーベル、ヴォルト(Volt)を傘下に設立した。同レーベルでリリースした最初のアーティストが、スタックスで最大の成功を収めることとなったオーティス・レディング。もうひと組のヒット・メーカーは、アトランティック・レコードがスタックスに紹介したサム&デイヴだった。
本作は、1967年にリリースされたサム&デイヴのサード・アルバム。ビルボードの「ブラック・アルバム」チャートで5位、「ポップ・アルバム」チャートでも62位にランクインした。シングル・リリースされた'Soul Man'は、R&Bチャートで1位、ポップ・チャートで2位を記録する大ヒットとなった。また、1968年にはサム&デイヴの'Soul Man'が、《Best R&B Performance by a Duo or Group with Vocals》部門でグラミー賞を受賞した。