Chico Hamilton
"I heard a drummer called Chico Hamilton. It was a record called "Walkin' Shoes" by Gerry Mulligan and I fell in love with the sound of the brushes. So I bought a pair of wire brushes."*
- Charlie Watts -
*)"Charlie Watts' Favorite Drummers"
「ジェリー・マリガンの『ウォーキン・シューズ』というレコードで、チコ・ハミルトンのドラムを初めて聴いたんだ。彼のブラシ・ワークに惚れ込んだよ。すぐさまワイヤー・ブラシを買いに行ったね。」
~ チャーリー・ワッツ ~
Recorded : 1952,08,16 / 1952,10,15-16
Released : 1952
ジェリー・マリガン(bs)がチェット・ベイカー(tp)を迎えて結成した伝説のピアノレス・カルテットによるウェスト・コースト・ジャズの名盤。
Recorded : 1954,11,12 / 1956,01,04 / 02,10 / 02,13
Released : 1956
1956年にリリースされた、チコ・ハミルトン(dr)の代表作。チェロとギターを加え、バディ・コレット(ts・as)がフルートやクラリネットも演奏する異色のコンボ編成となっている。リーダーのチコ・ハミルトンの演奏は終始控え目で、ジム・ホールのギターが全体のサウンドを柔らかく包み込んでいる。
Kenny Clarke
"But over the years, Kenny Clarke I suppose. Just finesse. My leanings were always toward Kenny Clarke. Why? The taste he had. He's probably my favorite drummer."*
- Charlie Watts -
*)"Charlie Watts' Favorite Drummers"
「長年思っているんだけど、腕がいいってことではケニー・クラークじゃないかな。私の好みはいつもケニー・クラークだった。何故かと言えば味があるんだよね。たぶん彼は私のお気に入りドラマーだね。」
~ チャーリー・ワッツ ~
Recorded : 1968,05,13 -14
Released : 1968
本作は、ケニー・クラーク(dr)とベルギー人ピアニストのフランシー・ボランを擁する双頭ビッグ・バンドによる作品。1968年、ドイツのジャズ・レーベルMPSレコードからリリースされた。トランペットにはチャーリー・ワッツ・オーケストラにも参加しているジミー・デューカーが、テナー・サックスにはロニー・スコッツ・クラブのオーナーであるロニー・スコットも参加している。
フランシー・ボランのアレンジが素晴らしく、ビッグ・バンドの迫力と、各ソロ・パートが美しく融合している。
なんとも妖艶なアルバム・カヴァーは、MPSレコードに度々登場している。
The Charlie Watts Orchestra
“Live at Fulham Town Hall”
Ronnie Scott & The Band
"Live at Ronnie Scotts"
Recorded : 1953,06,25 (4-7) / 1954,12,23 (1,2,8) / 1955,01,09 (3)
Released : 1956
ミルト・ジャクソン(vib)、ジョン・ルイス(p)、ケニー・クラーク(dr)の3人は、もともとディジー・ガレスピー(tr)のビッグ・バンドで1946年から1950年の間一緒に演奏していた。1951年にミルト・ジャクソンはMJQ(ミルト・ジャクソン・カルテット)を結成するが、翌年にはモダン・ジャズ・カルテットと名前を変えることになった。MJQの主なレパートリーは、ビ・バップやスウィングのスタンダード・ナンバーだったが、管楽器は使わずミルト・ジャクソンのヴィブラフォンを中心にしたクールな演奏で人気を博した。
本作は、冒頭1曲目に収録されている'Django'があまりにも有名で、そのままアルバム・タイトルにもなっている。ジョン・ルイスによって作曲された'Django'は、ベルギーのジプシー・ギタリストであるジャンゴ・ラインハルトに捧げられている。
ジャンゴ・ラインハルトは、1910年ベルギー生まれのジャズ・ギタリスト。ロマ音楽とジャズを融合した音楽性から、ジプシー・ジャズの創始者として知られる。《ジャンゴ》は彼のニックネームで、ロマ語で「私は目覚める」という意味。
1928年に火事を消そうとして大火傷を負い、左手の薬指と小指に障害が残った。医師からはギター演奏は二度と無理だと言われたが、独自の奏法を確立しハンディキャップを克服した。ジャズでは主に伴奏楽器として使われていたギターをソロ楽器として使用した先駆けであり、盟友ステファン・グラッペリ(フランス人ヴァイオリニスト)と数多くの名演を残した。
Recorded : 1954,06,29 / 12,24
Released : 1957,12
1957年にモダン・ジャズの3大レーベルの一つプレスティッジ[Prestige](その他の3大レーベルはブルーノート[Bluenote]とリバーサイド[Riverside])からリリースされたマイルズ・デイヴィス(tp)の作品。本作には同時期プレスティッジに在籍していたMJQ(モダン・ジャズ・カルテット)からケニー・クラーク(ds) / パーシー・ヒース(b) / ミルト・ジャクソン(vib)の3人が参加している。
白眉は冒頭1,2曲目に収録されている'Bags' Groove'。1954年のクリスマス・イヴに行われた俗に言うマイルズとセロニアス・モンク(p)の《喧嘩セッション》で録音されている。マイルズがモンクに「オレが吹いている間は弾かないでくれ」と言ったため、マイルズのソロではモンクはピアノを弾いていない。同時にミルト・ジャクソンも演奏を止めたため、クラークとヒースのリズム隊だけをバックにマイルズのソロが奏でられた。結果、マイルズの思いもよらぬ創造性豊かなアドリブが聴けることになる。
ケニー・クラークは本作以外にも、マイルズの4作品("Birth of the Cool" / "Walkin'" / "Ascenseur pour l'échafaud" / "Miles Davis and the Modern Jazz Giants")に参加しているが、いずれもマイルズの代表作(=Jazzの名盤)として知られている。
Miles Davis
"Birth of the Cool"
Miles Davis
"Walkin"
Miles Davis
"Ascenseur pour l'échafaud"
Miles Davis
"Miles Davis and the Modern Jazz Giants"
Dave Tough
"Among my favorite drummers is Dave Tough. Nobody knows how good he was. There are a lot of people that I admire and they are what I try to be, but I'll never he that good."
"David Tough is someone whom I've always love - the recordings of him with (Woody) Herman First Herd, 'Northwest Passage' and 'Countdown.' "*
- Charlie Watts -
*)"Charlie Watts' Favorite Drummers"
「私の好きなドラマーの中にデイヴ・タフがいるんだけど、彼がどれほどの名ドラマーだったか誰も知らないんだ。感服するようなドラマーや憧れるドラマーはたくさんいるけど、彼のようなドラマーにはなれないね。」
「デイヴィッド・タフは、ずっと私の大好きなドラマーだ。彼がウッディ・ハーマンと録音した『ファースト・ヘルド』、「ノースウェスト・パッセージ」や「カウントダウン」とかね。」
~ チャーリー・ワッツ ~
Recorded : 1941,03,13
Released : 1989
18. A Smo-o-o-oth One
デイブ・タフは、1930年代から1940年代にディキシーランド・ジャズやスイング・ジャズのドラマーとして活躍した。
本作は、ビバップの創始者のひとりチャーリー・クリスチャン(elg)を迎えたベニー・グッドマン・セクステットの作品集。1941年3月13日、デイブ・タフが参加した'A Smo-o-o-oth One'が収録されている。
"Well, on records it would be Charlie Parker....which would be Max Roach, wouldn't it? I always wanted to play with Charlie Parker. When I was 13 I wanted to do that."*
- Charlie Watts -
*)"Charlie Watts' Favorite Drummers"
「まあ、レコードでチャーリー・パーカーと・・・つまりはマックス・ローチのように、 私はいつもチャーリー・パーカーとプレイしたかったんだ。 13歳の頃はそればっかり考えてた。」
~ チャーリー・ワッツ ~
Recorded : 1953,05,15
Released : 1953
カナダのトロントにあるマッセイ・ホールに、ビ・バップの巨匠5人が一同に会した歴史的コンサートのライヴ盤。
Roy Haynes
"...go and see a master like Roy Haynes, and when you see him you go, 'I'll never ever get there.' "*
...- Charlie Watts -
*)"Charlie Watts' Favorite Drummers"
「...ロイ・ヘインズのような名ドラマーを見に行けば、これまでに見たこともないようなドラマーだって分かるはずだよ。」
~ チャーリー・ワッツ ~
Released : 1994
ロイ・ヘインズは1940年代から音楽活動を始め、ビバップ時代から現在に至るまで活躍し続けている。数多くのリーダー・アルバムと、時代を代表するミュージシャン(チャーリー・パーカー、マイルズ・デイヴィス、サラ・ヴォーン、ジョン・コルトレーン、セロニアス・モンク、エリック・ドルフィー、チック・コリア、パット・メセニーetc)との共演盤を残している。
本作は、1994年にリリースされたパット・メセニー(g)との共演盤。ロイ・ヘインズのドラムはやや押え気味で、パット・メセニーのリーダー・アルバムかと思われるほどメセニーのギターを立てている。
2020年現在、御年95歳。今なおジャズ・シーンの先端を行くロイ・ヘインズ。是非とも来日公演を期待したい。
Art Blakey
"One of the loveliest records that Blakey's made, I think, is with Cannonball Adderley and Miles Davis - I think Autumn Leaves is on it. Make you cry, that one.'"*
- Charlie Watts -
*)"Charlie Watts' Favorite Drummers"
「ブレイキーの最も素晴らしいレコードの1つは、キャノンボール・アダレイ、マイルズ・デイヴィスと一緒に演ったものだと思う。たしか「枯葉」が入っているやつだ。あれは泣かせるね。」
~ チャーリー・ワッツ ~
Recorded : 1958,03,09
Released : 1958,08
マイルズ・デイヴィスはキャノンボール・アダレイに何度も忠告していたと言う。「おい、よく覚えておけよ。レコード会社の連中のなかで信頼できるのはあのドイツ人だけだからな」。あのドイツ人とはアルフレッド・ライオン、ブルーノートの創始者。
マイルズがドラッグ中毒で仕事がなかった時代、ライオンはレコーディングの機会を与えてくれた。その作品はモダン・ジャズの名盤が揃うブルーノート1500番台の冒頭1501番、1502番を飾ることになる。その後、ビッグ・レーベルのコロンビア・レコードと専属契約したマイルズは、キャノンボール名義のアルバムにすることにより、ライオンに恩返ししようと考えた。ドラムスはマイルズの要望でアート・ブレイキーが呼ばれた。
そして、ジャズ史に残る大名盤となる本作が生まれた。このアルバムを名盤と言わしめる要因として、冒頭一曲目に収められた‘Autumn Leaves’(「枯葉」)の名演によるところが大きい。この一曲を聴けば、誰がリーダーとしてイニシアチブを取っているのかがよく分かる。マイルズ、キャノンボール、ハンク・ジョーンズのソロを、ブレーキ―とサム・ジョーンズのリズム隊がしっとりと支えている。
Recorded : 1958,10,30
Released : 1959,01
1950年代の後半、ハード・バップをよりブルージーな響きで演奏するファンキー・ジャズに注目が集まりつつあった。本作は1958年に録音されたファンキー・ジャズの名盤。特にボビー・ティモンズ(p)作の冒頭1曲目'Moanin''が大ヒットし、ファンキー・ジャズの代名詞となった。日本でも「蕎麦屋の出前持ちまで口笛で'Moanin''を吹いていた」と言われるほど馴染みやすいメロディーと、当時若干20歳リー・モーガン(tp)の痛快なソロが印象に残る。
なお、アート・ブレイキ―(ds)は、自らのバンドThe Jazz Messengersを率いるかたわら、ブルーノートのハウス・ドラマーの役割を担って、数々の名盤に参加している。
"The lovely thing about Shelly Manne was that he never stopped, his whole life, playing with interesting bands."
- Charlie Watts -
*)"Charlie Watts' Favorite Drummers"
「シェリー・マンの素敵なところは、面白いバンドと一生プレイし続けたことだね。」
~ チャーリー・ワッツ ~
Recorded : 1956,08,17
Released : 1956
『マイ・フェア・レディ』("My Fair Lady")は、ブロードウェイで公演されたミュージカル。1956年3月15日から1962年9月26日までの6年6ヵ月、2717回のロング・ラン・ヒットとなった。イライザ・ドゥーリトル役は、ジュリー・アンドリュースが演じている。原作はジョージ・バーナード・ショーの戯曲『ピグマリオン』("Pygmalion")。
本作は、ミュージカル初演と同年の1956年8月、ウエスト・コーストのドラマーであるシェリー・マンが、アンドレ・プレヴィン(p)、リロイ・ヴィネガー(b)と組んで、ジャズのリメイク盤をリリースしたもの。リリース直後からベスト・セラーとなり、ヒット・チャートに2年近くランク・インするなどジャズ・アルバムとしては異例の大ヒットとなった。
なお、1964年にはミュージカル映画も製作された。イライザ・ドゥーリトル役は、オードリー・ヘプバーン。同年のアカデミー作品賞ほか8部門を受賞している。
Musical [Eliza Doolittle : Julie Andrews]
Film [Eliza Doolittle : Audrey Hepburn]