チャーリー・ワッツは、1991年に来日公演を行った際に行われた小川隆夫によるインタビューで、チャーリー・ワッツ・オーケストラを結成した経緯について次のように語っている。
「オーケストラを結成したのは、ロンドンの『ロニー・スコッツ』に一度でいいから出たかったのが理由だ。ストーンズじゃ出演させてもらえないもの、ジャズ・バンドじゃないからね。だからジャズ・オーケストラを作ったのさ。」*
Ronnie Scott's Jazz Club
ロニー・スコッツ・ジャズ・クラブは、1959年10月30日ロンドン、ソーホー地区に開店したジャズ・クラブ。ミュージシャンのロニー・スコット(ts)とピート・キング(ts)によって開業、運営されていた。1962年頃からはジャズの本場アメリカからもズート・シムズをはじめ、ジョニー・グリフィン、リー・コニッツ、ソニー・ロリンズ、ソニー・スティットなど、多くのミュージシャンが出演している。1978年には、自前のレコード・レーベル《Ronnie Scott's Jazz House》を創設し、クラブでの歴史的なライブ録音や新収録のレコードが多数リリースされた。
なお、オーナーのロニー・スコットは、チャーリーのソロ3作目“A Tribute to Charlie Parker with Strings”の冒頭で前説を披露しており、また1963年から67年までクラブのハウス・バンドでピアニストを務めたスタン・トレイシーは、チャーリーのジャズ・デビュー・アルバム"Live at Fulham Town Hall"に参加している。
チャーリーのジャズ活動は、以下の通り《ロニー・スコッツ・ジャズ・クラブ》と共にある。
【The Charlie Watts Orchestra】
【Charlie Watts Quintet】
【Charlie Watts and the Tentet】
Charlie Watts Quintet
"A Tribute to Charlie Parker with Strings"
Charlie Watts and the Tentet
"Watts at Scott's"
Recorded : 1968,10,25-26
Released : 1968
《ロニー・スコッツ・ジャズ・クラブ》のオーナー、ロニー・スコット(ts)自身による同クラブでのライブ盤。このアルバムを聴くと、ロニー・スコットがクラブ・オーナーとしてだけでなく、サックス奏者としてもバンド・リーダーとしても一流の腕前だったことが分かる。
なお、本作のバンドメンバー、クリス・パイン(tb)、レイ・ウォーリー(as,fl)、ロン・マシューソン(b)は、チャーリーのソロ1作目“Live at Fulham Town Hall”に参加している。
The Charlie Watts Orchestra
“Live at Fulham Town Hall”
Recorded : 1964,05
Released : 1965
本作は、1964年5月ロンドンのロニー・スコッツ・クラブで録音されたソニー・スティット(ts)とディック・モリッシー・カルテットによるライブ・アルバム。
なお、メンバーのビル・エイデンは、チャーリー・ワッツ・オーケストラでチャーリーとジョン・スティーブンスと共にドラムス勤めている。
The Charlie Watts Orchestra
“Live at Fulham Town Hall”