チャーリー・ワッツは、1991年に来日公演を行った際に行われた小川隆夫によるインタビューで、好きなジャズ・クラブを聞かれ次のように語っている。
「いまはなくなってしまったけれど『バードランド』。ここではソニー・ロリンズを初めて聴いている。1964年のことさ。ベン・ライリーがドラムスだった。ロリンズは本当の意味で天才だね」*
Birdland
バードランドは、ニューヨークのマンハッタンにあった往年の名ジャズクラブ。1949年当時ジャズのメッカであった、ブロードウェイの52丁目にオープンし、ジャズの黄金時代を牽引した。名前は、チャーリー・パーカーのニックネーム「バード」にちなんでいる。1965年に閉店。その後20年の時を経て1986年にブロードウェイの106丁目で同名の店が営業を開始した。現在は44丁目に移転し営業している。
Recorded : 1950,06,30
Released : 1977
Disc 1
Disc 2
本作は、自身のニックネーム《Bird》から名付けられたジャズ・クラブ《Birdland》で収録されたチャーリー・パーカー(as)のライヴ盤。ライヴ盤とはいえ、50年代初頭のレコードはSP盤(片面3分半の収録)が主流だったので、レコード用のレコーディングではなく、あくまでもラジオ局の中継用だった。その中継を熱心なジャズ・ファンであったボリス・ローズが録音し、秘蔵されていた音源が本作となっている。
メンバーは、チャーリー・パーカー(as)、ファッツ・ナヴァロ(tp)、バド・パウェル(p)、カーリー・ラッセル(b)、アート・ブレイキー(dr)と、ビバップを代表するミュージシャンが勢ぞろいしている。お互いを刺激しあうビバップ時代の熱い演奏で、ファッツ・ナヴァロも死の直前(1950年7月7日逝去)とは思えない素晴らしい演奏を聴くことができる。