The Rolling Stones Play Blues
Recorded : 2015,12,11 / 14-15
Released : 2016,12,02
2016年の師走、長年新作アルバムの制作を伝えられていたストーンズが、急遽11年振りの新作を発表した。しかも、全編ブルーズのカバー・アルバム。”構想50年、レコーディング3日”と謳われ、大々的に宣伝され話題にもなった。聴けばなるほど、大好きなブルーズ・ナンバーを活き活きと演っている。全曲、オーバーダブなしの生演奏とは思えないほど完璧なまでの演奏と歌。流石に50年以上のキャリアは伊達じゃないと感心させられる。デビュー当時は、ブルーズやR&Bのカバーが中心だったストーンズだが、その後は自分達の音楽スタイルを完成させ、純粋なブルーズ・バンドからは距離を置いていたが、改めてストーンズに流れるブルーズの血の濃さを感じさせられた。
The Rolling Stones Collaborate with
Recorded : 1989,12,19
Released : 1991,04,02
10. Little Red Rooster
Recorded : 1989,12,19
Released : 2020,09,25
[CD] Disc 2
2. Little Red Rooster
[Blu-ray]
17. Little Red Rooster
ローリング・ストーンズのスティール・ホイールズ・ツアーにおける1989年12月19日アメリカのアトランティック・シティ公演において、エリック・クラプトンがギターでゲスト参加している。ストーンズの面々とハウリン・ウルフ(作曲はウィリー・ディクソン)の「リトル・レッド・ルースター」を共演している。
流石と言うべきか、完全に主役はクラプトンである。ここではミックのボーカルも、ロニーの味のあるスライド・ギターも霞んでしまう。キースなんぞは、端っからバッキングに徹している始末。それにしても、サラリと完璧なまでのギター・ソロを披露する様は、ブルーズの悪魔の申し子といった感じで、まったく恐れ入る。
なお、同曲のハウリン・ウルフ版は”Confessin' The Blues”で、ストーンズ版はアメリカ盤オリジナル・アルバムの”The Rolling Stones, Now!”で聴くことが出来る。
また、チャーリーとクラプトンは、ハウリン・ウルフの"The London Howlin' Wolf Sessions"でも'The Red Rooster'('Little Red Rooster'の原曲タイトル)を共演している。チャーリーはその他にも、Eric Clapton & Friendsの"The A.R.M.S. Benefit Concert"に参加しており、クラプトンのバックでドラムを叩いている。
ローリング・ストーンズとクラプトン関係では、2016年リリースのストーンズの"Blue & Lonesome"で、たまたま同じスタジオで録音していたというクラプトンが、2曲('Everybody Knows About My Good Thing', 'I Can't Quit You Baby')でギターを弾いている。
(Various Artists)
"Confessin' the Blues"
Disc 1
2. Little Red Rooster
The Rolling Stones
"The Rolling Stones, Now!"
11. Little Red Rooster
Howlin' Wolf
"The London Howlin' Wolf Sessions"
9.The Red Rooster
Eric Clapton & Friends
"The A.R.M.S. Benefit Concert"
Recorded : 1989,12,19
Released : 2004,04,20 [DVD]
18. Boogie Chillen'
Recorded : 1989,12,19
Released : 2020,09,25
[CD] Disc 2
3. Boogie Chillen
[Blu-ray]
18. Boogie Chillen'
前掲のローリング・ストーンズ1989年12月19日アトランティック・シティ公演において、エリック・クラプトンとの共演に続き、ジョン・リー・フッカーと彼の代表作「ブギー・チレン」を共演している。
共演とは言えフッカーの完全に一人舞台で、ミックは紹介だけで袖に引っ込み、クラプトン、キース、ロニー共に3歩も4歩も下がった位置でひたすらバッキングに徹している。尊敬するブルーズ・マンのバックでクラプトン、キースも終始ご機嫌な様子。控えめに入るクラプトンのギター・ソロもフッカー風で微笑ましい。チャーリーのドラムもシンプルかつ正確無比にリズムを刻み、共演の舞台を引き締めている。
なお、同曲のオリジナル版はローリング・ストーンズが影響を受けたブルーズの楽曲を集めた”Confessin' The Blues”で聴くことが出来る。また、キースはジョン・リー・フッカーが1991年に発表したアルバム"Mr. Lucky"の'Crawlin' Kingsnake'にギターで参加している。
(Various Artists)
"Confessin' The Blues"
Disc 1
3. Boogie Chillen
John Lee Hooker
"Mr. Lucky"
9. Crawlin' Kingsnake
Recorded : 1994,11,25
Released : 2018,11,16
[CD] Disc 1
15. Stop Breaking Down
[Blu-ray]
15. Stop Breaking Down
Recorded : 1994,11,25
Released : 2018,11,16
[CD] Disc 1
16. Who Do You Love?
[Blu-ray]
16. Who Do You Love?
Recorded : 1997,12,12
Released : 1998,11,02
6. Corrina
Recorded : 2003,06,20
Released : 2007 [DVD]
Disc 2
32. Rock Me Baby
ローリング・ストーンズのリックス・ツアー、2003年6月20日ドイツのライプツィヒ公演において、AC/DCのヤング兄弟(マルコム・ヤング、アンガス・ヤング)がギターで参加している。B.B.Kingの'Rock Me Baby'を、キース、ロニー、マルコム、アンガスの4人のギターで、ねっちりとコテコテのブルーズに仕上げている。それを見てミックも負けじとシャウトしまくる。そんな姿を後ろから見つめるチャーリーも満足げだ。
なお、同曲のストーンズ版は”Live Licks”で、B.B.キング版は”Confessin' The Blues”で聴くことが出来る。
The Rolling Stones
"Live Licks"
Disc 2
9. Rock Me Baby
(Various Artists)
"Confessin' the Blues"
Disc 2
19. Rock Me Baby - B.B. King
Recorded : 2006,10,29 / 11,01
Released : 2008,04,01
[CD] Disc 1
10.Champagne And Reefer
[DVD]
10.Champagne And Reefer
"Shine A Light"はマーティン・スコセッシ監督によるドキュメンタリー映画と、そのサウンドトラック。マディー・ウォーターズ作の’Champagne And Reefer’をバディ・ガイと共演している。
大舞台でも余裕しゃくしゃくのバディ・ガイ。チャーリーの表情も「そーそー、このノリだよ」と言わんばかりで楽しそうだ。ミック・ジャガーのブルーズ・ハープも素晴しい。
ロック・ナンバーが中心の中で、こういったスロー・ブルーズを挟むとステージがピリッと締まる感じがする。ブルーズの巨匠とここまで互角に渡り合うことができるのは、流石にストーンズならでは。若手のミュージシャンでは、なかなかこの雰囲気を醸し出すのは難しい。とは言っても、当時のメンバーは優に60を超えていて、クリントン元米大統領とハグしながら談笑しているのだから、年配のブルーズ・マンよりも一枚も二枚も上手なんだろう。