Recorded : 1948,04 - 1954,09,01
Released : 1957
1. I Just Want To Make Love To You
7. Hoochie Coochie
12. I Can't Be Satisfied
「シカゴ・ブルースの父」と称されるマディ・ウォーターズ。
ストーンズはファースト・アルバムの"The Rolling Stones"で'I Just Want to Make Love to You'を、セカンド・アルバムの"The Rolling Stones No. 2"では'I Can't Be Satisfied'をカバーしている。また、2017年にリリースされた1963年~65年に出演したBBCラジオのスタジオ・ライヴ・アルバム“On Air”には両曲とも収められている。
アレクシス・コーナーは1962年に‘I'm Your Hoochie Coochie Man’をカバーしており、当時ブルース・インコーポレイテッドに在籍していたチャーリーも参加しており、その模様は“Bootleg Him!”で聴くことができる。そして何といってもこのアルバムには、ローリング・ストーンズのバンド名の由来となった'Rollin' Stone'が収録されている。
このアルバムの発売は1957年、当時ブライアン・ジョーンズは15歳、ミック・ジャガー、キース・リチャーズは14歳、三人ともこのアルバムを擦り切れるほど聴き漁ったに違いない。
幼馴染だったミックとキースが双方の引越しで別れて、1960年にダートフォード駅で偶然再会した際に『ミックが持っていたチャック・ベリーとマディ・ウォーターズのレコードでお互いの興味が明らかになって友情が復活した』という逸話が残っているが、その時ミックが持っていたアルバムもこのベスト盤だったのではないだろうか。
ジャズ一辺倒だったチャーリーが、キースの影響でシカゴ・ブルースやR&Bといったジャズ以外の黒人音楽を聴くようになるきっかけとなった際も、このアルバムは含まれていただろう。
このアルバムは、1950年代のシカゴ・ブルーズの魅力がグッと詰まっている。エレキ・ギターを中心としたバンド・スタイルで、ブルーズならではのハープ、ピアノもあり、全体的にスローな曲のテンポがブルーズの魅力を伝えている。そして、この黒光するマディーの横顔をアップにしたジャケット・デザイン。なんともブルーズらしさ満載のアルバムだ。
The Rolling Stones
"The Rolling Stones"
2. I Just Want to Make Love to You
The Rolling Stones
"The Rolling Stones No.2"
9. I Can't Be Satisfied
The Rolling Stones
"On Air"
Disc 2
12. I Can't Be Satisfied
13. I Just Want to Make Love to You
Alexis Korner
“Bootleg Him!”
2. I’m A Hoochie Coochie Man
Recorded : 1957,06,24 - 1961,12
Released : 1962,01,11
2. The Red Rooster
6. Little Baby
本作はハウリン・ウルフ2作目のスタジオ・アルバム。アルバム・ジャケットのイメージから、通称『ザ・ロッキン・チェア・アルバム』とも呼ばれている。
ストーンズは本作から‘The Red Rooster’と‘Little Baby’の2曲をカバーしている。‘The Red Rooster’は、1965年アメリカ盤のサード・アルバム“The Rolling Stones, Now!”、1977年のライヴ・アルバム“Love You Live”、1991年のライヴ・アルバム“Flashpoint”に収録されている。また、チャーリーが参加した“The London Howlin' Wolf Sessions”でも取り上げられている。
‘Little Baby’は1955年のライヴ・アルバム“Stripped”に収録されている。
The Rolling Stones
"The Rolling Stones, Now!"
11. Little Red Rooster
The Rolling Stones
"Love You Live"
3. Little Red Rooster
The Rolling Stones
"Flashpoint"
10. Little Red Rooster
Howlin' Wolf
“The London Howlin' Wolf Sessions”
9. The Red Rooster
The Rolling Stones
"Stripped"
14. Little Baby
Released : 1970
ウィリー・ディクソンは何枚もの自身のアルバムを発表しているが、ソングライター、プロデューサー、ベーシストとして影からブルース界を支えた人物として知られている。特にブルースの有名曲を多数作曲している。本アルバムは、1970年にリリースされたウィリー・ディクソン6作目のスタジオ・アルバム。ディクソンによって書かれ、チェス・レコードの他のアーティストによって演奏された曲をフィーチャーされている。
ストーンズがカバーしたハウリン・ウルフの‘The Little Red Rooster’、アレクシス・コーナーがカバーしたマディ・ウォーターズの‘I'm Your Hoochie Coochie Man’も実はディクソンの作品である。
更には本作に収められた曲は、有名ロック・バンドがカバーしたことでも知られている。‘Back Door Man’はドアーズ、‘I Can't Quit You, Baby’はレッド・ツェッペリン、‘Spoonful’はクリーム、‘I Ain't Superstitious’はジェフ・ベック・グループ、サンタナ、‘You Shook Me ’はレッド・ツェッペリン、ジェフ・ベック・グループ、‘(I'm Your) Hoochie Coochie Man’は、エリック・クラプトン、ジミ・ヘンドリックス、マンフレッド・マン。実に豪華な面々によってカバーされたアルバムとなっている。
The Doors
"The Doors"
7. Back Door Man
Led Zeppelin
"Led Zeppelin"
3. You Shook Me
8. I Can't Quit You Baby
Cream
"Fresh Cream"
6. Spoonful
The Jeff Beck Group
"Truth"
4. You Shook Me
10. I Ain't Superstitious
Santana
"Guitar Heaven : Greatest Guitar Classics of All Tim"
12. I Ain't Superstitious
Eric Clapton
"From the Cradle"
4. Hoochie Coochie Man
The Jimi Hendrix Experience
"BBC Sessions"
5. (I'm Your) Hoochie Coochie Man
Manfred Mann
"The Five Faces of Manfred Mann"
5. Hoochie Coochie
Released : 1970 [LP]
Side B
6. Stop Breakin' Down Blues
8. Love in Vain
Released : 1990
Disc 2
14. Stop Breakin' Down Blues (Take 1)
15. Stop Breakin' Down Blues (Take 2)
18. Love in Vain (Take 1)
19. Love in Vain (Take 2)
ロバート・ジョンソン(1911,05,08 - 1938,08,16)といえば、「十字路で悪魔に魂を売り渡して、その引き換えにテクニックを身につけた」というクロスロード伝説で有名だが、わずか27歳で「人妻との情事が原因で夫に毒殺(または刺殺)された」という話や、1989年まで一枚の写真も公開されていなかったことから『伝説のブルーズ・マン』と呼ばれている。
ストーンズの中でもキース・リチャーズが彼から受けた影響は大きく、多くのインタビューで初めてロバート・ジョンソンを聴いたときの衝撃を語っている。ストーンズは"Exile on Main St."で'Stop Breaking Down'を、"Let It Bleed"、"Get Yer Ya-Ya's Out!"、"Sticky Fingers(2015 Deluxe edition)"、"Stripped"、"Ladies & Gentlemen"で'Love in Vain'をカバーしている。
The Rolling Stones
"Exile on Main St."
16. Stop Breaking Down
The Rolling Stones
"Let It Bleed"
2. Love in Vain
The Rolling Stones
"Get Yer Ya-Ya's Out!"
4. Love in Vain
The Rolling Stones
"Sticky Fingers"
(2015 Deluxe edition)
Disc 2
8. Love in Vain (1971 Live)
The Rolling Stones
"Stripped"
12. Love in Vain
The Rolling Stones
"Ladies & Gentlemen"
8. Love in Vain
Released : 1989
3. I'm a King Bee
5. Shake Your Hips
スリム・ハーポは、ブルース・シンガーでハーモニカ奏者兼ギタリスト。
ストーンズは、ファースト・アルバム”The Rolling Stones”で'I'm a King Bee'を、"Exile on Main St."で’Shake Your Hips'をカバーしている。
1964年録音の'I'm a King Bee'では、オリジナルを忠実にカバーしているが、1971年録音の'Shake Your Hips'ではストーンズのオリジナル曲と言われても分からないほど、曲を咀嚼して自分達の音にしている。デビュー当時の一介のブルーズ・バンドから70年代の絶頂期まで、彼らの成長の具合が伺える。
The Rolling Stones
"The Rolling Stones"
7. I'm a King Bee
The Rolling Stones
"Exile on Main St."
3. Shake Your Hips
Released : 2018,11,09
Disc 1
Disc 2
本作は、ローリング・ストーンズが選んだ全42曲収録のブルーズ・クラシックのコンピレーション・アルバム。CD2枚組のほか、アナログ・レコード2枚組(Vol.1、Vol.2)、10インチ・レコード5枚組のヴァイナル・ブック・パックもリリースされた。アルバム・カヴァーのアートワークは、ロニー・ウッドが担当している。
ミックとキースはインタビューで次のように語っている。
なお、この作品の収益の一部は、ブルーズの振興とブルーズ・アーティストの支援を行うウィリー・ディクスンのBlues Heaven Foundationに寄付されている。
Released : 2016
ローリング・ストーンズの”Blue & Lonesome”発表から僅か2週間後に発売された「ブルース&ソウル・レコーズ 2017年2月号」の付録CD。ストーンズがカバーしたブルーズ・ナンバーのオリジナル曲が、全く同じ曲順で並べられている。
驚かされるのは、ストーンズがオリジナル・ナンバーと殆ど寸分たがわず演奏しているところ。いくら彼らが敬愛するブルーズ・マンの曲といえども、3日間のレコーディングでここまでの作品を仕上げるとは全く恐れ入る。ズルズルとオリジナルの新作をレコーディングするよりも、もっともっと自分達が好きな音楽を、自由に気ままにやってほしい。
iPodのプレイリストに、オリジナル、ストーンズの順で並び替えて聴くと、一層”Blue & Lonesome”の素晴らしさが堪能できる。
Released : 2016
Disc 1
Disc 2